オフィスの現状復旧は、最初の引き渡し時が大切! ~契約書と現場写真の大切さ
━━━━━━━━━━━━━━━━<第21号>2009/5/11発行━━━━━━━
「総経理必読!上海で最高のオフィス構築のノウハウ」
~後悔しないオフィス構築を考える。
素敵な事務所設立を応援するサイト~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━発行:146部━━
前回の配信が1月。またまた、間が空いてしまい申し訳ないです。「まぐま
ぐ」さんから、しばらく発行していないとメールが届きます。半年間発行がな
いと、休刊扱いになってしまいます。前回一度、休刊になってしまい、再発行
の手続きをしました。スポーツもそうですが、しばらく間が空いてしまうと再
開のきっかけがつかめなくなってしまうんですよね。2月に引っ越しをして、
ヨガをサボっていたのですが、また再開しました。参加をすると、「やっぱ来
て良かった。続けよう」と思うんですよね。メルマガやブログも書き始めてしま
えば、逆に止まらなくちゃっちゃうのですが。
心理学の専門用語では「イナーシャが高い」と言うらしいです。inertiaは日本
語では「慣性」と言います。物理学的には物体が止まっているときは止まってい
よう、動いている物体は動き続けようとする、物理的な特性だそうです。私のイ
メージは「岩石」を想像します。大きな岩は動かすのが大変ですが、動き始めれ
ば楽に転がっていきます。
物事も「大変だ」と思って心の中の岩石を大きくしてしまうと、それを目の前
にすると立ちすくんでしまい、動かすことができない。でも、動き始めれば慣性
が働いてそんなに大変ではないと分かる。そこで、きっかけが重要。メルマガも
「真っ白な画面に何を書こう?」と立ちすくんでしまうと書けないです。そこで、
ブログの登場。毎日できるだけ、前日の仕事で気づいたことをメモ代わりにブロ
グに登録、それを週末にメルマガにまとめれば、大きな岩石のイナーシャの問題
は解決するはず?!
ということで、このように書き始めてしまえば前書きだけでこんなになってし
まいます(笑)。そもそも、人間は何らかの自分の意見を言いたい動物らしいです。
商談のテクニックで、「聞き上手になれ」というのがあります。これは、いかに顧
客の意見・要望を引き出すか、ということですが、人間は自分の意見を言う場とそ
れを聞いてくれる人がいると、気分がいいという特性があるようです。
それでは、前置きが長くなりましたが、第21号をお送りします。
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● このメルマガの内容は・・・
ある統計では、現在、5000社以上の日系企業が中国上海に進出しているとの
ことです。
私の日々の業務でも、毎週のように企業の改装や移転案件が舞い込んできます。
その一方で、企業の担当者はオフィス構築/移転について未経験の方がほと
んどです。中国独特の内装方法、消防申請、IT配線、レイアウトのこつ、家具
の選定などなど、専門家に依頼をしないと分からないことばかり。総務部長・
総経理も通常業務の他にオフィス移転業務を完了させるには時間、人材が足り
ません。
このメルマガは中国進出をされている日系企業をオフィス構築の面で応援す
るサイトです。1日の8時間以上過ごすオフィス。快適なオフィス構築のノウ
ハウを、現役ファシリティマネージャーが公開します。
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■ 今号のもくじ ■
オフィスの現状復旧は、最初の引き渡し時が大切!
~契約書と現場写真の大切さ
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今年はサブプライム問題を含めた金融危機の影響で、上海の日系企業もコスト
削減の波が押し寄せています。今までは、右肩上がりの売り上げで固定費について
それほどシビアでなかったのが、ここに来て本社からの指示もあり、費用を一律
何パーセントで削減する必要に迫られています。
固定費の中で大きなウェイトを占めるのが、人件費とオフィスの賃料です。欧米
系企業は元々給料が高いのとジョブスクリプト、労働契約が明確なため、費用削減
の際は人件費に手をつける(レイオフ、解雇)会社が多い印象があります。
その一方日系企業は、本社が終身or長期雇用なのと明確なジョブスクリプトがない、
感情的な問題もありなかなか人件費に先に手をつける会社は少ないです。そうなると、
オフィス賃料を下げて固定費を下げるしかありません。
今年は明確にコスト削減を目的にしたオフィス移転が増えています。2フロアのオフィ
スをショールームやリフレッシュルームなどを廃止して、1フロアに凝縮する。もと
もとのオフィスからグレードを下げて移転をするなどの方法があります。この辺のコ
スト削減の移転提案は、日系のPM会社・内装会社が有利だと思います。例えば、既存
の家具を転用するプランを作成したり、PM会社ならば内装の建材の単価、㎡数を精査
するなどの手法を使ってコストを下げることができます。
移転の際に注意をしないといけないのが、現状事務所の復旧費用です。事務所は借り
るときには更地の状態が一般的です。そこから、床・壁・天井を変えた場合、移転時に
元に戻さないといけません。この費用がばかになりません。当初の予算で当然、移転先
の内装費用は盛り込みますが、現状復旧費用を忘れる・安く見積もり過ぎるケースがあ
るので注意が必要です。
現状復旧は、通常ビルの指定業者に依頼をするケースが多いです。というのも、ビル
の規定の内装材料・仕様があるので他の内装会社では分からない場合があるからです。
また、引き渡し時に現状復旧の状態が違う!とビル側から言われるリスクがあるので、
ほとんどの場合ビル指定の会社に依頼をしてしまいます。しかし、ビルと現状復旧会社
がつるんでいるケースがあります。というのも、ビル新築時に設備工事をかなり安値で
受注している設備会社があり、ビル側が「指定業者にしてあげるから、入居したテナン
トの設備工事や現状復旧工事でもうければいいではないか」と話をしている節があります。
入居されるテナントも、入居時の設備工事や現状復旧工事費用については契約時には
高いか安いか分かりません。賃料だけではなく、この辺の付帯工事の費用も含めて、
ビルの選定をする必要があります。
今回、お客様の現状復旧工事のお手伝いをさせて頂いたのですが、幾つか問題点が出てき
たので、それについてまとめてみたいと思います。
1.現状復旧の状態が契約書に明確ではない。
→例えば、入居時にビル側で廊下や区画の壁があったかどうか。契約書の平面図では点
線でテナント区画の線(部屋番号を入れるため)が入っている場合があります。しかし、そ
の壁が本当にあるのかどうかが明確でない場合があります。契約書にも、当初の状態に戻す
としか書いておらず、当初の状態が定義できません。
→対策としては、鍵の引き渡し時にデジカメで写真を撮っておくことです。できれば、平
面図に番号を振って、どのエリアの写真を撮ったのか分かるようにします。特に、床
(カーペットがあったかどうか)、壁(どの位置に、どんな素材?)、天井は重要項目です。
これを契約書と一緒に印刷したものを大切に保管をしておきます。そうすれば、当初の状態が一目瞭然です。
2.現状復旧の費用が高い。
→ビル側指定の天井材、カーペット、OAフロアが非常に高価な場合があります。輸入品を
使っている場合もあります。基本的に、指定材料はビルの物業管理である程度は在庫を持って
います。また、その建材の価格表もビルに要求すれば入手することが可能です。そこで、本当
は入居時に現状復旧でかかるであろう、建材の費用も含めてビル選定をする必要があります。
香港系のディベロッパーなどは、輸入建材を使っているケースが多いので、単価が高くなり
がちです。できれば、ここまで調査をして、ビルを決めないと退去時に思わぬ出費がかかるこ
とになります。
3.不動産仲介会社・PM会社を活用する。
→今回、お客様の現状復旧では、ビルの工程部から現状復旧の工事中に現場の内装会社に対して、
廊下・区画壁を作るように指示が来ていました。このようにビル側から突然このような要求が
来る場合があります。お客様もそのような話があったときに、「そういうものか。仕方がない」
と諦めるのではなく、当初入居時に仲介を依頼した不動産会社や内装PM会社などに一度相談す
ることをおすすめします。
一般的にビルの工程部(内装を管理する部門)とリース部門(営業)では、情報交換をしていな
いケースが多いです。不動産契約書に書いていない現状復旧工事をさせられて、無駄な出費をする
危険があります。入居時の契約書についてPM会社によるチェックをしておけば、退去時の現状復
旧のトラブルを防ぐことができます。不動産仲介会社はビル側との窓口には適当ですが、彼らもビ
ル側との関係を良くしたい意向があるので、あまり無茶なことは言えません。そこで、内装のPM
会社が事前に専門家の見地から契約書を精査しておくといいと思います。
最終的には、今回のケースではビルの工程部から壁を作るように要求がありましたが、契約書の
精査(壁を作らなくて良いと書いてある)、入居時の現場写真の提示、仲介会社経由でビルの営業
部門→工程部責任者に連絡をとり、現場にて状況を確認した結果、めでたく壁は全く必要なくなりました。
中国の内装・現状復旧工事は不明確なことがあります。その際は信頼できる内装PM会社、アド
バイザーを起用する。契約書を良く読む。現場の資料、写真をきちんと保存する。トラブル発生時
には迅速に複数の専門家に相談をすることが大切です。
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【あとがき】
書いてしまって、かなり長くなってしまいました。オフィスの内装について書き始めると、色々
なポイントがあり、止まらなくなってしまいます。また、適宜重要事項について、メルマガでご紹
介をしていきたいと思います。
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【発行人】栗田有真 認定ファシリティマネージャー
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