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2009年6月

オフィス構築を通じた、ブランディング、社員の採用・育成

「儲かるオフィス 社員が幸せに働ける「場」の創り方」
紺野 登 (著) 発売日: 2008/9/18
おすすめ度:★★★★

■読み始めたきっかけ

 ホワイトカラーの生産性向上のため、オフィス環境の整備というものを研究および仕事にしています。どうすれば、欧米のようなクリエイティブで快適な環境で仕事ができるのか?デザイナーを起用すれば、おしゃれなオフィスは構築できると思いますが、それが本当に快適で働きやすいオフィスなのか?通信環境やPC環境が発達した現在では、必ずしもオフィスにいなくても仕事はできます。逆にだからこそ、フェイストゥーフェイスのコミュニケーションで成果を出すことが重要です。そのためにはオフィスの環境が大切。欧米のまねでない、日本人のメンタリティと働き方に合った、インスパイアされるようなオフィス。こんなオフィス構築のお手伝いがしたいと思っています。

■心に残る言葉

p.11 この知識経済社会において利益の源泉となるものは、人間の「知」です。それも特別な能力を持ったスーパーマン、スーパーウーマンではなく、知識労働者同士がネットワークで結ばれることで、これまでにはなかった自由闊達なコミュニケーションや力強い相互作用からダイナミックな違うまれ、それが利益につながっていきます。

→現在のオフィスではPCは一人一台が当たり前ですが、PCが自分で行動し利益を出すことはできません。それを作業する人間が付加価値を付けることで利益が生まれます。すでに成熟をした日本経済では一人のアイディアで利益を出すことは難しいと思います。となると、複数の人間のコミュニケーションやアイディアの積み重ねによって新しいサービスや製品が生まれてくると思います。

p.32 原則としてエレベーターを使用せず上下階を行き来できるようにすることで、顔の見えるコミュニケーションを増やそうとしたのです。

→昔「東京ラブストーリー」というドラマで、主人公が働いているハートスポーツの事務所にも階段がありました。よくそこで、主人公のカンチとリカが喧嘩をしたりおしゃべりをしたりしていたのを思い出しました。階段には、実際の機能だけでなくコミュニケーションを促す効果もあると思いました。

p.82 ワークプレイスづくりを通じてブランド価値を生み出すには、次のような点が重要なポイントになります。

1.目指す仕事の質の基準が示され、見えるようになっている
2.各部門のレベルでサービスのレベルや強みについて意志気が共有されている
3.新人にもその企業らしさがすぐに伝わる
4.職場やオフィスを顧客に見せられる
5.皆が「同じ船に乗っている」と感じるような雰囲気がある

→以前、オランダの企業を訪問したときに、それぞれの事務所に個性があるなと思いました。オフィスを通じて自分の会社がどんな会社であるか、どんな社員がウェルカムかが分かるようにブランド発信をしていると感じました。会社の方向性をどこかに定めることによって、それに沿ったブランド・オフィス構築をしていました。日本は「皆と同じこと」が美徳のため、なかなか個性のあるオフィスが構築できません。これからの時代、製品での差別化が難しければ、オフィスの差別化をして、社員の取捨選別・能力を引き出して製品やサービスの向上につなげることが必要だと感じました。


■どんな人にお勧めか

どうも最近社員のやる気がでないとおもう経営者の方
毎日出社するのが楽しくなるオフィスを構築したい人
オフィスから自社ブランドの物語を作りたい人

儲かるオフィス 社員が幸せに働ける「場」の創り方
儲かるオフィス 社員が幸せに働ける「場」の創り方紺野 登

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「eciffo」が休刊に。

 定期購読をしていた、欧米オフィスの写真集+最新オフィスコンセプトワークがつまった雑誌「eciffo」が残念ながら、今回の号で休刊となってしまいました。非常に残念です。

 毎号、写真を見ながら、「何で欧米のオフィスはこんなにも美しく、クリエイティブなのだろう」と思っていました。当初は、欧米人はオフィスにカネをかけるから(=デザイナーを雇い、内装をして、高級家具を置く)、だと思っていました。

 一般的に欧米では住居もセンスがあります。自宅を美しくして、友人を呼んでホームパーティをする文化があります。その一方、日本はそもそも面積が狭い、標準内装がほとんどで自分の個性を出しにくい、ホームパーティなどが少ないのでそれほど家を綺麗にしようという動機付けが弱いなどの要因があると思います。それがオフィスにも転じて、効率性重視、お金を書けない、クリエイティブである必要はない(仕事は環境が重要ではない、逆境の中でこそ成果が出るという精神論)となってしまい、オフィスは画一的で面白くないものになってしまっているような気がします。

 最近は、それに加えて欧米と日本ではオフィスに期待する機能が違うのではないかと考え始めました。欧米では重要な仕事の決断や連絡、ひらめきはオフィス内で発生しているのではないか?そのためには、いい環境が必要。その一方で、日本は会議では発言をしないで、縄のれんで持論を展開したり、アフターファイブでの人間関係が仕事上で重要など、社外でのコミュニケーションが大切なので会社では表面上のやりとりだけであれば、それほどいい環境は必要なかったからではないかと思い始めました。

 個人主義の欧米は、就業時間が終われば各人が自分の家族の元にもどり、家族や友人たちと余暇を楽しむ。そのためには、オフィスで働いているときに成果を出さなければならない。

 日本では、残業や夜のつきあいをして初めて職場から認められて重要な情報を入手できたり、いい人間関係が構築できる。

 日本式も共同体のようなので、悪いとは言いません。しかし、オフィス環境を向上しようというインセンティブは弱くなってしまうのではないか?世界的にみて、日本人建築家の建物のデザインはそれなりに認められていると思います。しかし、日本のオフィスなど室内環境はどうでしょうか?

 これから、オフィス構築の仕事を通じて少しでも日本のオフィスの環境構築に寄与できればと思っています。

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